息子の川崎病のこと【0歳3ヶ月での川崎病、治療から定期検査】




息子が生後3ヶ月で川崎病を患った時のことをまとめています。
発熱から川崎病の診断まではこちらをご覧ください。
息子の川崎病のこと【0歳3ヶ月での川崎病、診断まで】

川崎病の治療から退院まで

<発熱から5日、川崎病の治療1日目>

この日の朝、川崎病と確定診断されたので川崎病の治療の開始です。

まずは川崎病の治療の前に心電図、心エコー、血液検査をしました。

検査の結果、心電図、心エコーともに異常なし。
血液検査では、CRP定量値と白血球数が基準値を超えていました。

白血球数は正常な範囲が3900~9800のところ14100、CRPは0.3mg/dl以下が正常なところ7.42でした。

一通りの検査を終えて、川崎病の急性期の治療を開始。

アスピリンの内服と免疫(ガンマ)グロブリンを点滴にて大量に投与します。

アスピリン療法
血を固まりにくくして血栓を予防するとともに、血管の炎症を抑える基本的な治療法。川崎病の程度が軽いと、アスピリンだけで治療することもある。

免疫(ガンマ)グロブリン療法
全身の炎症を抑えて、冠動脈瘤やその他の合併症を予防する治療法。90%近くの方がこの治療法を受ける。アスピリンと免疫(ガンマ)グロブリンを併用すると冠動脈瘤ができる割合を大幅に下げることができる。

冠動脈瘤を防ぐためには、ガンマグロブリンの大量投与が有効とのことでしたが、先生から一つ気になることを説明されました。

免疫(ガンマ)グロブリンはいわゆる血液製剤です。
現時点でわかっている様々な病気よりも目の細かいフィルターに人の血液を通しているので、エイズや肝炎などの感染症、ウイルスなどの病原体を取り除くことができていると言われています。

しかし、まだ発見されていない未知の病気があるとしたら、それらを除去しきれていない可能性があり、将来、薬害が起こる可能性は0ではない。

そのことを聞いて一瞬考えましたが、川崎病の合併症である冠動脈瘤を防ぐためには早期にガンマグロブリンによる治療を始めることが重要です。
選択の余地などなく、同意書に記入をして治療を開始してもらいました。

この辺からの記録があまり残っていないのでやや曖昧なのですが、ガンマグロブリンを3本点滴したと記憶しています。

ガンマグロブリンは1本40万程度だったので、その治療費は本当であれば100万円越え。
自治体の医療費助成のありがたみを初めて実感することになったのでした。

この日、2人部屋の個室に空きがでたので、6人部屋から2人部屋に移ることができました。
一日につき3,150円かかりますが、あのうるささから解放されゆったりと過ごせるのであれば安いもんです。

 

<発熱から6日、川崎病の治療2日目>

幸運なことにガンマグロブリンがよく効いて、この日の内に解熱しました。

この日の採血では白血球数は正常範囲に落ち着きました。CRP定量値は2.95とまだまだ高めですが前日よりも下がっています。

前日にガンマグロブリンの点滴は終えたので、川崎病の治療としてはアスピリンの内服を続けていきます。

 

<発熱から7~9日、川崎病の治療から3~5日目>

解熱しましたが、再発の有無をみるためまだまだ入院生活は続きます。

心エコーと心電図の結果、冠動脈瘤はなく心臓への後遺症はみられませんでした。
後遺症のことが心配でここしばらく気が張っていましたが、やっと安心することができました。

アスピリンの内服は続きますが、点滴の針はとれ、だっこで気軽に病院内を歩けるようになりました。

 

<発熱から10日、川崎病の治療から6日目>

この日の採血の結果、AST、ALT、ALP、LDHなど肝機能についての数値が上昇していました。

アスピリンによる副作用の肝機能障害が起きてしまいました。

投与量は200mgから20mgに減っていたのですが、肝機能の数値が落ち着くまで休薬することになりました。

CRP定量値は0.34とほぼ正常値まで戻ってきました。(正常値は0.30以下)

入浴OKのお許しがでたので、久しぶりに息子は入浴。
病院内のお風呂においてあるベビーバスで。頭がべたべたしていましたが、きれいになりました。

再発もみられず、本来であればそろそろ退院することができたのですが、肝機能障害のため入院期間が延びてしまいました。

 

<発熱から11日、川崎病の治療から7日目>

前日に続きこの日も採血。

アスピリンの内服を一時中断しているため、肝機能の数値は少し下がっていました。
しかし、まだまだ高いので様子をみます。

CRP定量値は0.21と正常範囲に落ち着きました。

この日から同じく川崎病で入院している3歳の男の子と同室になりました。

川崎病の原因はわかっていませんが、先生は次のようなことをおっしゃっていました。
・同じ地域で立て続けに患者が発生する(ブームみたいなものがある)
・新築のお家の子供に多い
・医療従事者のご家庭の子供に多い

確かに、同室の3歳の男の子とは同じ地域でした。
また、川崎病を発症する2週間前に当時住んでいた家に引っ越してきたのですが、そのお家はリフォームをしたばかりでした。

これは関係あるかわからないけど、当時住んでいた地域は川沿いでアカイエカが多く、引っ越しのために窓を開けて作業をしていたこともあり、たくさんのイエ蚊が室内に侵入していたのでした。
(もちろんたくさん刺されました)

今の医学で解明されていないことを素人が推測してもどうしようもないけれど、同室の男の子のママとはが原因じゃないかな?と雑談していました。

モノがすぐにカビるし、空気は悪かったし、虫は多かったし(築20年くらいでしたが家に隙間が多く、すきまからいろいろな虫が入ってきていた)
私はあの家のせいで息子は川崎病を罹ったと思っています。

 

<発熱から14日、川崎病の治療から10日目>

久しぶりの採血。
肝機能の数値がほぼ正常値まで落ち着いてきたので、翌日からアスピリンを再開することになりました。

同室の川崎病の男の子は、ガンマグロブリンの治療が効かずステロイド療法をすることに。親御さんの気持ちを考えるといたたまれない気持ちになりました。

 

<発熱から15日、川崎病の治療から11日目にして退院>

前日の結果を受けてこの日、退院できることになりました。

今後は、しばらくアスピリンの服用を続け、定期的に健診に通います。
アスピリンは朝、20mg内服します。

この日医師から、ガンマグロブリンの抗体が体内に残っている可能性があるので水疱瘡、MR、おたふくかぜの予防接種は1年後からにしてほしいとの説明がありました。

川崎病を経験したことで、子どもの病気について恐怖心が芽生えてしまい、予防接種を受けていないことで重症化してしまったらどうしようと不安でたまりませんでした。

後日かかりつけ医に相談したところ、「半年後からOK」と言われたこと、予防接種ガイドラインにもガンマグロブリンの大量療法の場合は6ヶ月あけるとの記載があることから、ガンマグロブリンの投与から8か月後にMRの接種をしました。
(不活化ワクチン&BCGはアスピリンの服用が終わってから順に実施しています。)

最後の診察時に医師の机に貼ってあったメモ紙が衝撃的でした。

病室が空いているので、入院の閾値をさげてください

=病室がすいているから、積極的に入院と診断してくださいと。

病院も儲けがなければつぶれてしまうので気持ちはわかるけど、患者に見えないところで伝達してほしかったな。

まるまる二週間入院していましたが、最後に病院の裏側を見てしまいました。
(一般外来の時間になればメモははがされるのかもしれませんね)

 

退院後の定期健診のこと

<退院から3日>

退院から3日目にして、さっそく定期健診です。
心エコー、心電図、血液検査をしました。
結果、異常なし。

アスピリンの処方箋をいただいて帰りました。

 

<退院から12日>

前回の健診から9日、またもや定期健診です。
この日も心エコー、心電図、血液検査をしました。
結果、異常なし。

前回同様に、アスピリンの処方箋をいただきました。
量は20mg、今回は26日分処方されました。
次は26日後に健診です。

 

<退院から1ヶ月と1週>

前回の健診から26日、定期健診に行ってきました。
検査内容はいつもと同じ、心エコー、心電図、血液検査。
異常はなく、この日の検査でやっと肝機能の数値が正常値になっていました。

アスピリンも手持ちの分がなくなれば服用を終了して良いとのことで、この3日後めでたくアスピリン生活を終えることができました。

この日、主治医の先生から別の病院へ転院される旨を報告されました。
川崎病に熱心な先生だったので、とても残念でした。
この先生だったからこそ、息子の川崎病に早く気付くことができたのかもしれません。
先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

<退院から3ヶ月と1週>

前回の健診から2ヶ月、定期健診です。
今回から血液検査はなしになり、検査内容は心エコーと心電図。

この時、息子は7ヶ月。
ハイペースな予防接種などで病院への恐怖心が少しずつ芽生えてきたようで、心エコーでなきじゃくり後半はきちんと検査ができませんでしたが、異常なしとの診断でした。

次は2か月後に来るようにとの指示がありました。

<退院から5ヶ月半>

前回の健診から約2カ月、健診です。
心エコーと心電図を実施しました。
今回も泣いてしまい検査に時間がかかりましたが異常なしでした。

 

<退院から1年1ヶ月、息子1歳5ヶ月>

前回の健診から8カ月、健診に行きました。
初めの方はよかったものの、後半泣いてしまった。
異常はなし。
川崎病から1年経ったこともあり、安心して検査に臨めるようになりました。
次は3歳前後になるそうです。

 

<息子3歳>

約1年半ぶりに心エコーと心電図をとりに病院へ行ってきました。
息子も3歳になったので検査中に泣くこともなく、渡されたおもちゃで遊びながらひたすら検査の方に話しかけておりました。
こんなところで成長を感じるとは。

次の健診は小学生になってから、もしくは入学前。
都合のいい方でOKとのこと。
次が最後の健診になると言われました。

 

思ったこと、かかった費用など

幸いなことに今まで生きてきて入院なんて無縁で(出産を除く)、今回初めて子どものことで丸々2週間入院しました。

他に入院している方をみていても思ったのですが、付き添い有りでの入院となると

実家等、援助してもらえる方の助けがないと厳しい

我が家は両家の実家ともに遠方なので、夫婦で協力して乗り切るしかなく・・・
病院に泊まり込むのは私、夫は会社帰りに病院へ面会に来た後に自宅に帰る。土日は病院に付きっきり。
病院を離れることもできないので、持ってきてほしいもの、買ってきてほしいものがあれば夫にお願いして土日に持ってきてもらいました。

他の方はおじいちゃん、おばあちゃんが面会にきたり、付き添いを代わってもらったりしていて、正直うらやましかったです。

兄弟がいたら大変

病院に泊まり込みになるので、上の子や下の子がいれば誰かに面倒をみてもらう必要が出てきます。
家を空けることになるので、精神面でのフォローも必要になってきます。

もしあの時我が家に兄弟がいたとするなら、夫に仕事をセーブしてもらって協力してもらうことに加えて、ファミサポやママ友にお願いする、頼み込んでどちらかの親に来てもらう。

いろいろな人に助けてもらわないと、夫婦二人ではとても無理だったと思います。

会社勤めであれば、有休の消費が激しい

育休中だったからよかったものの、通常であれば平日は有休を使って休みをとることになります。
2週間の内の平日の日数は10日。
一気に有休が減ってしまいます。もっと入院期間が延び、有休が足りなくなれば他の休暇制度を使うことも検討しなければなりません。

お金がかかる

個室料金、付添人の食事代(私の分。子供はミルク)、平日に洗濯をお願いできる人もいないので病院内のランドリーや乾燥機代、その他病院内の売店で買いそろえる日用品など、細々とお金がかかりました。

全部合わせて6万円近くの出費となりました。

そのほか、
ガンマグロブリンによる治療を行ったことで、予防接種のスケジュールを考えないといけない
入院期間が2週間にわたったことで、保険に加入できない
ということが起きました。

県民共済に加入するつもりで家に来ていただく予定だったのですが、入院のために延期。

退院後に相談した時は、「軽い川崎病であれば加入できた方も多いですよ。」と言われていましたが、入院期間が2週間に及んだことで、加入できないと断られてしまいました。

(その後、川崎病から3年経ち相談したところ、条件付きで加入できました。)
子供の医療保険について考える

以上、息子が生後3ヶ月で川崎病になったときのことをまとめてみました。
どなたかの参考になりましたら幸いです。

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